40代の悩みに効く物語

「全員くたばれ!大学生」感想-イケてるやつらを妬むが自らは行動しない者への警告

みなさんはどんな学生生活を送ってきただろうか。イケてるグループを横目で見ながら、そんなやつらを心の中でバカにして、でも自分もその仲間になりたくて…でもなれなくて…なんていう生活送った人は少なくないだろう。

本作「全員くたばれ!大学生」は、まさにそんな暗い地味大学生・哲太が、ウェイウェイしている同級生たちを妬み、自分も変わろうとするが、それは無理な妄想だけで、実際は何も行動しない物語だ。

ここまで読んで「オレのことだ」と思った人にとって、この本を読むことはきっと苦行ではあると思う。このマンガの主人公哲太の行動を見て、あなたは赤面するだろう、哲太の行動はあなたが普段とっている行動そのものだからだ。

本記事では、そんなあなたがすぐに辞めるべき行動を、本書から抜粋しながら書き出した。いわば、地味男に対する警告である。この記事を読んで半分以上「あれっ俺…」と思った人は、本書を購入し、もだえ苦しみながら読むべきだ、そしてこの本を閉じたら新しい一歩を踏み出そうではないか。

あらすじ

主人公は、大学に入学したばかりの地味男子の哲太。クラスになじめず、サークルに入るタイミングを逸し、アルバイトもしていない。大学に友達は1人もいない。なぜなら自分からは何も行動を起こさず、誰かが話かけてくれるだろう、誰かが何かに誘ってくれるだろうとひたすら待ちの姿勢なのだ。

そんな哲太のまわりには、ダンスサークルでウェイウェイやっている同級生たちなど青春を謳歌する大学生。地味な男たちもいるが、その連中ですら友達はいる。哲太は、地味な男たちを見下し、ウェイウェイやっている奴らの仲間になりたいがなれないため嫉妬から「あんなバカたちとは付き合わない」と言う。友達が欲しくてしかたがないのに。

哲太はそんな状況を超消極的に打破しようとわずかな行動を起こしたり、おせっかいな同級生への醜い対応、同じようにウェイウェイやっている大学生を憎む謎のおじさんなどとのやりとりなどで物語は進む(消極的なのであんまり物語は進まない)。

見どころ 亀田哲太のやばい行動を見て反省せよ!

地味なやつらを蔑み調子にのった発言をすべきではない

我々は「調子のっている奴らを憎むが、自分もその仲間に入りたい」かつ「地味な奴らを蔑むが、自分の居場所はそこにしかない」という分裂した精神を持っている。

哲太は、大学で調子にのってウェイウェイやっているやつらを「低能だ」「バカだ」と心の中でバカにしている。しかし、その哲太自身こそが大学に入ったらウェイウェイする生活を夢見ていたのである。そして彼らの仲間には入れないという現実を受入れるには、彼らを批判するしかないのである。

そして、哲太はウェイウェイやっているやつらとは違う地味なコミュニティに所属をすることになる。そいつらに対しても哲太は「地味だ」「暗い」と心の中でバカにしている。しかし、そこにしか自分の居場所はないのだ。

その結果どうなるか、そうです、「地味なコミュニティの中で調子にのった発言をする」よゆうになるのである。カーストの最底辺にいながら、最底辺の連中に向かって自分はカーストの最上位にいるかのような発言を繰り返すのである。

哲太

(どんな高校生活を送ったんですか?と聞かれ)遊んでたわ~マジで。ぶっちゃけココも滑り止めだし。偏差値的には国立行けたけど、家遠いとダルいしさ。

自分を大きく見せようと虚勢を張るべきではない

まずは地味なやつらの中で調子にのった発言をすること、いや嘘つき発言と言った方がいいかもしれない。本書の中てをで哲太は次のような調子ノリ嘘発言をしている。

哲太

ってか昨日もあの後、女の家行ってさ。(彼女さんいるんですか?と聞かれ)いやいやセフレだよセフレ。ってかお前らAV見てる?マジックミラー号とか?マジメだと知らねぇか?

「セフレがいる」
「やくざと徹夜で麻雀した」
「ベースをやっている」
「バイトは、駅前のカフェでバリスタやっている」

いずれも哲太が本来なりたかった姿であることは言うまでもない。そして、あなたが憎んでいる調子にのっているやつらがやっている(いやそれ以上の場合も多い)ことでもある。

哲太は、地味な仲間の中でも唯一友達のようになっていく高野君から、嘘を指摘され「そういうのやめてよ悲しくなるから」と真面目に諭されてしまう。この場面、正直見てられなかった。自分の中で蓋をしていた何かがでてきそうで…。

そうなんですよ、あなたが仮にこのような発言しているとすれば、それを聞いているほとんどの人が「あぁあ、また始まったよ、この嘘つきが」と思っていることは間違いない。さぁ想像してみてください、死にたくなるでしょう。ではもう辞めたほうがいいでしょう。でないと、何十年経っても、たまに叫びたくなってしまうのだから。

さて…次行こう。

イケてる新生活が始まると淡い期待をすべきではない

これは「大学入学」「上京」などの際に厳に慎むべきことだ。哲太は、大学に入ったら自分のアパートの部屋が「たまり場」になるという妄想を描いてしまい、一人暮らしには不釣り合いな数のコップなどの食器を取り揃えてしまう。もちろん、それらが使われる日は来ないわけだが。

哲太

まぁ人が来ると部屋が汚れるし、オレはそういうのはNG。全く羨ましくないんだが…もし万が一、飲み会後の終電を逃した女子大生がオレの部屋に来たらどうだろうか?

それだけではない、自分の部屋、それは服装と同じように自分のセンスがはっきりと問われてしまう。あなたの部屋にもこんなものがないだろうか。

聞きたくもない洋楽のCD(ビートルズやキャロルキング)、読みたくもない村上春樹の本(ノルウェイの森など)、使い道のない美容室にありそうなマガジンラックなどおしゃれな家具、なんかよくわからんけどおしゃれな雑誌、飲めないウイスキーなどなど…。

それ…あなたに似合ってませんから。自分でもわかっているでしょ。はい、そこのあなた、大学の同じクラスになった女子が聞いている音楽をチェックし、すぐダウンロードしない!ちなみに私の大学時代は、TSUTAYAで借りてMDにダビングでしたが。えぇ、椎名林檎とか聞いてましたよ。その後、まったく聞いてませんが。

地元の友達に、都会での偽リア充アピールをするべきではない

地方から東京に出てきているあなた、地元の友達に帰省した時に東京での生活をちょっと盛って話しているでしょう。バーチャル彼女話、バーチャル親友話、バーチャル悪さした話…それ全部バーチャルですから。

哲太

(弟にサークル何入った?と聞かれ)あー一応軽音。ベース弾いてんのよエレキベース、めっちゃ地味だけど。うちのボーカルの乾ってのがさマジで歌プロ級で…あとはドラムの長谷川も。

これ、地方から東京という人だけの問題ではない。私は、こっちのコミュニティであっちのコミュニティでのリア充嘘話をするなと言っているのだ。つまり、学校-バイト先、職場-なんかサークル的なやつ、学校や職場-家庭、あらゆるものにあてはまるのだ。

哲太は、地元の地味な友達と互いの嘘話で盛り上がっているところを、高校の同じクラスの女子に「あいつら全員地味だからジミーズって まだ仲いいんだ キモっ」と言われている。

簡単にばれる。今の時代、あっちのコミュニティで語っている嘘自分が、こっちのコミュニティにばれることなんて簡単に起きる。もし、高校時代の武勇伝や女からみの話を、大学の友達に吹いているとしたら、今すぐ厳に自粛すべきである。本当にやばい。私が言うのだから間違いない。私には、体が弱くて学校休みがちだけど明るくかわいい彼女なんて高校時代にはいなかったのだから。

なりふり構わず調子に乗っているやつらについていくべきではない

これは、最後の手段としてたまにやるやつがいる。ちなみに、私はこれだけは経験がない。というのは、これはそうとう度胸や忍耐がいる。無視されようが、なんだろうが、勝手にイケてるグループの一員のようにふるまい続けるという、大変過酷な手段だからだ。そして、これは報わることはほぼないと言っていいだろう。

哲太は、地味なグループにいた高野君が古い映画に詳しいという特技を引っ提げておしゃれカルチャーグループへと移籍したことに衝撃を受ける。哲太はここでこの高野を架け橋にして、おしゃれカルチャーグループの一員になろうと試みる。そのグループについていくために、彼らの見ている映画をチェックする。しかしその努力が報われることはなかった。

哲太

(高野たちの後ろ2メートルくらいのところをいつもほどけた靴ひもみたいにズルズルと着いていった。みんなが笑うと合わせて笑い、会話のパスが来るのを待つも、誰も相手にせず。高野をとして合流を試みるも、軽くいなされる)

これは私は経験がないと言ったが、身近で目撃したことはある。高校時代の多田君である。私と同じ地味グループにいた彼は、3年の2学期に意を決したように、カースト最上位に食いつきに行った。とにかく、金魚のフンのようについていったのである。しかし、「なんかあいつ、ついてくるんだよね」と影で言われていることを私は聞いてしまった。そして多田君が当然のようにカラオケに誘われていないことも知っていた。見ていてつらかった思い出だ。

まとめ

さて、どうだっただろうか。

私は、本当にこんなやつ(哲太)だった、いや今もちょっとそうだということを自覚せざるを得なかった。

・いやというほど人の目を気にする
・その集団の中で自分がどう見られているのか(どういうポジションにいるのか)
・本当の自分はこんなんじゃない

自分と他者なんて、究極のところ何も関係のないのだ、ということに気づいたのは30代後半のことだ。大学生諸君はやく気づいてほしい。いや無理か。

もう読みたくない。つらい。