マンガ

拭えない「劣等感」を抱え生きる方法(僕の小規模な失敗)

学生時代にどんな絶望を抱えていましたか?

学生時代って基本同級生とばかりいるので、同級生に比べて自分がどうだということの悩みがほとんどだった気がします。

そして、同級生より自分は劣っているのではないかという劣等感をいただき、早くも人生の負けを感じてしまう…その絶望感は小さくはなかった気がします。

そして、同級生より自分が優れているか、劣っているか、その基準の最も上位にあるのが「S〇X」したかどうかです…

そこで闘えない男は、スポーツや勉強、それでもダメなら自分の世界へ入っていく…そんな感じで人間の序列を作っていたような気がします。

この記事では、そんな劣等感だらけの漫画家・福満しげゆきの高校時代からの自伝的作品「僕の小規模な失敗」を紹介します。

今や妻ネタで小ブレイクした福満氏は、初期作品に近づくほどに危うさやばさが際立つ漫画家さんです。一時はエロ漫画も描いたりしてましたね。

本書は、そんな福満氏の同級生に対する「劣等感」が赤裸々に描かれています。「死にたい~」と何度も…毎日なりますが、それでも生きていけるのです…ということを感じてもらえればと思います

あらすじ このままじゃダメになる予感

福満は、高校受験の準備をまるでしなかったために、ヤンキーばかりの工業高校に進むことになった。

来るところを間違えてしまったと思った福満は何かやらなければと思い「まんが」を描き始めた。そして学校を辞めた。まんがも賞に応募したが落選した。

ピザ屋でバイトをはじめたり…同じく学校を辞めた友人と2人暮らしをはじめたりしたが…どちらも続かなった。

学校に戻りたくて定時制高校に入った。なんとなく学校に行き、まんがを描いてという生活。何かはじめくてはと思い柔道部を作った。なぜか部員も入り割と本格的になった。

一方で…まんがを編集部へ持ち込みはじめた。たまに雑誌に載ったりした。でも同級生がS〇Xとかしている話を聞いてへこんだり…そんな毎日。

多少姑息なことはしたものの大学への推薦を手に入れ、大学へ進学。でも生活は相変わらず…まんがも載ったり載らなかったり、載っても人気なかったり。将来ホームレスも視野に入ってきた。

CDショップでバイトを始めた。そこによく来る26歳未経験で武道館ライブを目指しているバンド男と仲良くなる。

そのバンド男を通じてメガネの女の子とかわいい女の子の2人組と知り合う。寂しい福満にとって彼女は可愛すぎた。

気持ち悪い口説き方をして、こっぴどくふられ立ち直れなくなった。そして病院にいったり、ボクシングを始めたりした。

その後、彼女は連絡くれたり、するなと行ったり、彼氏ができたとか、別れたとか言い、福満は振り回され続ける。

でもなんだかんだ一緒に住みはじめる。彼女の母親が連れ戻しに来たりするが、2人は結婚するのであった。そして人生は続く…。

みどころ 5つの絶望

あらすじで見てのとおり、福満は様々な絶望を抱えながら生きているのですが…その中でもよりすぐりの絶望を抱えたシーンを5つ紹介したいと思います。

絶望①コースから外れたことに気づいたとき

高校に入って、自分がいつの間にか人生の成功と言われるコースから外れていることに気づく…福満最初の絶望でした。

高校に入ってから、まわりの同級生が受験勉強を一生懸命していたことの理由がわかったというのです。。

あっ勉強しないと…ここで3年間職業訓練を受けて、工場に入れられて一生こき使われる…みたいなことになるのだと…気づいたのです。

そこで、勉強できない自分は、漫画を描こうと思ってやり始めたけどコンクールで落選。そんなことやっているうちに、同級生は女とやったのやらんのという話をしている。

どうしよう…恋愛ゲームにも参加できず、漫画コンクールで相手にされず、学歴コースからも脱落しちゃって。

僕はどのスタート地点にすら、立てていないわけだから、まだ何もはじまっていないわけだ。なのにもうずいぶん失敗しちゃったような。

絶望②まわりは気にしないという強い意志を自分は持てないと気付いたとき

そんな福満だったが、漫画が雑誌に載ったり載らなかったりしはじめます。初めて自分の漫画が載った時に、同級生に見せに回ったのですが…

その同級生たちは彼女を部屋に連れ込んでいたり、「巨乳の女とやった」という話をしていたりします。

オレは女とやってないけど、漫画は雑誌に載ったぜ!と思って漫画をがんばる!という風には福満はなりません。女とやりたいのです。

『僕はこれに価値を感じるからまわりは気にしない』…てな感じの強い意志を持って強く生きていけるタイプじゃない…。同い年の人たちがあ~~~

絶望③逃げた先でも行き詰ったとき

福満は、漫画がうまくいかないと、なんだか追い詰められた気分になる。

なぜなら、「現実=勉強」から逃げて「漫画」をやることにしたのに、その「漫画」がだめになったら、自分はどうすればいいのだ…となるのです。

これ失踪案件ですね(→詳しくはこちら

そうなると…ニュースで親の財産を食いつぶす若者が話題になれば、これは自分のことだと自らを責め、外を歩けば誰も自分なんて見ちゃいないのに人の目が気になる…すべてが自分を責めているような気分になってくるのです…。

リハビリに新しいバイトでもして社会に接しよう。しかしもともとは社会に通用しないと思ったからマンガを描き始めたんじゃないか…けっきょく僕は何もできないのか…

絶望④学校の近くまで来ているのにたどり着けないとき

福満は、なんだかんだ大学に入学したが…そこで大学デビューなんてことは当然なく…人目のつかない暗いところが定位置になってしまいます。

環境は変わったのに…自分は何もかわらない絶望感。相変わらず、勉強はできないし、大学の色々なことについていけないし、漫画もあまりうまくいかないし…。

ついに…大学へ行こうと思っても、あと少しという坂の前で立ち止まってしまう。どうしてもその坂が上れず、見知らぬ会社の前で座り込んでしまう。

頭だけでなく体も動かなくなると…もう何が苦しいのかもはや自分でもわからなくなります…。目のつかない裏道の道路の隅や何かのビルの非常階段で座り込んでしまうのです…。

今日もこんな近くまできたのにたどりつけない…。なんでこんなにくるしいんだ…悩んでいるのか?悩みってどんなだ…

絶望⑤自分がバカにしていたような女にメロメロになったとき

女性と縁のなかった福満にも、友だちを通じてかわいい女の子と知り合うことができた。

福満はそんな縁がなかったときは、彼女がいる同級生や、巨乳とやった同級生のことを、あいつらはアホだバカだと罵り恨み呪っていた。

でも今や「彼氏と別れようと思っているんだ。なんか友達優先とか言ってー」というどうでもいい話にもかわいいというだけで許せる。

そんな自分にまた自己嫌悪に陥るのでした。

オシャレしてる人達を『恋愛関係しか頭にないアホ人間グループ』とバカにしてたクセに。そのクセに、今風の髪を染めたオシャレでカワイイ頭の悪そうな女の子が目の前に現れたら激しくメロメロになってしまったじゃないか!!うっ…

まとめ

ここで紹介した福満の絶望は、まわりとの比較の中で生きざるを得ない学生時代に特に発症しやすいものです。

もっと大人になれば「周りの評価軸」ではない、「自分の評価軸」で生きているようになると思います…まぁ完全にそうなれるわけではありませんが…。

あとがきで著者はこんな風に語っている

だの性格の問題で、そーいうタイプの人は何があっても、だいたいずっと、そーいう性格なまま生きていくのです。

大人になっても変わらないみたいです 笑。

みなさんは大人になって変われましたか?