哲学

自分が変われない理由とは(嫌われる勇気)

テリー

『今の自分が嫌い。でもそんな自分を変えられない』そんな人には、このロングベストセラー本「嫌われる勇気」を熟読することをオススメします

ここでは紹介する本は「嫌われる勇気~自己啓発の源流「アドラー」の教え~(岸見一郎/古賀史健:著)」です。2013年の発刊から未だ売れ続けているという脅威のビジネス書です。

本書の冒頭でこんなフレーズがあります。

「あなたが変われないのは、あなたが『変わらないという決心』をしているから」

本書で扱う「アドラー哲学」は、自分が嫌いであるという人が言う「自分が変われない理由」…例えば、自分の性格やトラウマ、家庭環境、経済状況といった「言い訳」をすべて否定します。

皆さんは「そんなバカな!」とこの考えを否定するでしょうか?それとも「いや確かにそんなの言い訳に過ぎない」と思うでしょうか?

また本書は、「人は変われる」という前提に立ったうえで、自分が嫌いだという人が変えていくべき「対人関係」の姿勢について説明します。

もしあなたが「自分が嫌いだけど変われない」「どう変われというのだ」と思っているのであれば、この本を読む価値はあるでしょう。

なぜならそのままの考えで年とっていけば…きっとあなたは「卑屈でやっかいなおじさん」になってしまいますからね。

「金がないのは給料を上げてもらえないから…」とか「俺は就職氷河期だったから…」とか自分がダメなことを人のせいにしている人達ですね。

本書は、アドラー哲学を説く哲人と、まさに「そんなバカな考えがあるか!」と怒る若者の「対話形式」になっています。小説のように読めて、すごく読みやすいです。

まだ読んだことない人も、積読になっている人も、この哲人に挑む若者になった気持ちでぜひ熟読してみてください。

あなたが変わるための3つの姿勢

テリー

ここでは、変われないあなたか変わるために必要な3つの姿勢、アドラー哲学の重要概念を3つ紹介したいと思います。

人は変わりたいと言いながら変わらないことを選んでいる

まず冒頭で書いた「あなたが変われないのは、あなたが変わらないという決心をしているから」これどういう意味なんでしょうか?

アドラー哲学の重要概念で「目的論」というものがあります。

反対は「原因論」です。原因論は、今自分がこんななのは、こういう原因があるからというものです。一見何も変ではないですよね。「正社員になれなかったのは氷河期だったから」とかですね。

この「原因論」に対して「目的論」は、変われない理由をあげつらうのは「変わりたくない」という「目的」を持っているからと考えます。

原因論を持ち出せば、変われない「理由」なんていくらでも見つけられます。目的論から言えば、できない理由を次々に上げるのは、変わりたくない「目的」を持っているのだと。

なぜ、人は変わりたいと言いながら「変わらない」ことを選ぶのか?それは何かのせいにして変わらない方が楽だからです。

さきほどの例で言えば、就職氷河期のせいにして、正社員になるための努力、恥をかいて何かにチャレンジするということをしなくてもいいわけです。

言い方変えれば「できない理由」をあげるのは、やりたくないから。「できる理由」を探すのは、やりたいからです。

あれ、こんな考え方聞いたことあるような気がしますね。

他者からの承認を求めてはいけない

アドラー哲学では、「幸福とは貢献感」であると定義しています。つまり、人の幸せは「誰かの役に立っている」と実感できることだと言います。

つまり「幸福は対人関係」によります。仕事や友人関係、恋愛、結婚、すべて対人関係です。逆に幸福を感じられないことも「対人関係」が原因ということになります。

「対人関係」をよりよくするためにキーとなるのが「課題の分離」という概念です。

簡単に言えば、自分は「自分の課題」にだけ向き合い、「他者の課題」を気にすることも、踏み込むこともするべきではないという考えです。

人は他者からの評価を求めたがります。「承認欲求」というやつです。しかし、他者が自分をどう思うのかは「他者の問題」であって、自分が気にするべきではないと考えます。

えっそんな人の根源的な欲求を否定するのか!と思われる方もいると思います。

しかし、他者からの承認を求めれば、「他者の期待」に答えることだけを考えるようになります。それはあなたの人生なのでしょうか。

例えば、上司の顔色ばかりを伺って仕事をしている人っていますよね。見てて思いませんか?「誰の方見て仕事してるんじゃ」と。自分の評価ばかり気にしてみっともないと。

他にも「親の期待に答えるために勉強している」とかもそうですよね。あなたの人生は誰のものなのでしょうか。

他者からの評価を求めない、他者がどう思うかは関係ない、それが「嫌われる勇気」です。

「人は関係ない、自分のやるべきことに集中しろ」そんな事言われたことがあるような気がしますね。

「人との距離」を適切にとることは対人関係をよりよくするためには、大事なことですね。

縦の関係ではなく「横の関係」を築くべき

「課題の分離」ができないと、他者の存在や評価を過剰に意識をし、他者は敵であったり競争相手になってきますよね。幸福な対人関係とはほど遠い関係性です。

アドラー哲学は、他者を敵ではなく、仲間とみなし、自分の居場所があるという「共同体感覚」を持つことが大事だと言います。

そのために「課題の分離」と合わせて重要なのが、他者と「横の関係」を築くことだと言います。

「横の関係」とは、上下関係ではなく、人との関係を対等に見るということです。その反対は「縦の関係」です。

誰かが上で、誰かが下だというのが「縦の関係」ですね。例えば「親と子」「上司と部下」「先生と生徒」「成績優秀者と劣等生」この世は上下関係ばかりです。

上から下へは「ほめる」「叱る」などが行為としてされます。下から上へは「従う」「媚びる」逆に「劣等感を感じる」などの行為や感情が生まれます。

このようなあらゆる縦関係を否定するのが「横の関係」になります。

「縦関係」も、下のものが上のものに従い、期待に沿うように動くことになります。そこにその人の自由も人生もありません。「ほめる」という行為もそうです。下のものが上のものの期待に沿った行動をしたから「ほめて」もらえるのです。

また「劣等感」も上下関係が産むものです。人の関係を上下に見ているから、自分はあの人より劣っていると見てしまうのです。

貢献感は主観でいい

本書のタイトルの「嫌われる勇気」という言葉は、非常に刺激的なフレーズですよね。しかし、他者の存在や評価を気にしすぎる人にとっては、これくらい強い言葉の方がいいのかもしれません。そのために重要な概念を紹介してきました。

補足として、本文でも少しだけ触れましたが…課題の分離、横の関係の先に目指すものは「他者への貢献」であり「自分がここにいてもいいという共同体感覚」です。

アドラー哲学でちょっと難しいなと思うところが実はここです。他者との距離は適切にとり「評価も求めない」ということと、他者への貢献をして「貢献感」を持つことの両立を求めるのです。

「評価を求めない」けど「貢献感を持つ」とは一体どういうことだと、私も感じました。アドラー哲学は「貢献感は主観でいい」と言います。

ほんとうに貢献感が持てているなら、他者からの承認はいらなくなります。わざわざ他者から認めてもらうまでもなく、「わたしは誰かの役に立っている」と実感できているのですから。つまり、承認欲求にとらわれている人は、いまだ共同体感覚を持てておらず、自己受容や他者信頼、他者貢献ができていないのです。

どうでしょうか。まだ納得いかない人も多いかもしれません。ぜひ本書買って読んでみてください。

でも「自分は変われる」ということを理解して、「他者の承認を求めない」姿勢を持てば、嫌いな自分を好きになれるということは、大きな勇気を与えてくれます。

最後に「将来の目標なんてなくていい」

最後に私が好きなところを1つ紹介します。

ここまで、変わらないための「理由」や、自分に関係のない「他者の課題」を気にすることなど…変わらないために様々な「言い訳」、強い言い方をすれば「嘘」をつくことが指摘されてきました。

でも最も大きな嘘は「いま、ここを生きない」ことだと言います。

人生における最大の嘘、それは「いま、ここ」を生きないことです。過去を見て、未来を見て、人生全体にうすらぼんやりとした光を当てて、なにか見えたつもりになることです。あなたはこれまで、「いま、ここ」から目を背け、ありもしない過去と未来ばかりに光を当ててこられた。自分の人生に、かけがえのない刹那に、大いなる嘘をついてこられた

「過去の失敗」を理由に、「将来の目標がないという未来」を理由に、いまここを真剣に生きないということが最大の嘘だというのです。

目標などなくていい、毎日少しでもいいから真剣に取り組めば、「今日できたこと」が必ずある。今日という1日はそのためにあったのだと。そう思える、その刹那を生きることが大事だと言います。

テリー

どうでしょうか、ちょっぴり勇気を持てたけど、「自分の承認欲求はもっとはるかに大きいんじゃ!!まだ納得いかんわ!」という方は、本書を読んでみてください。同じように「納得いかん!」と哲人に挑む若者の葛藤も読めます。