自己啓発書

40代おじさんが少年ジャンプを卒業すべき理由(40男はなぜ嫌われるのか)

テリー
テリー
40代に突入して『何か自分のポジションが変わってきた』『オレこのままでいいのか?』とモヤモヤし始めた男性たちに読んで欲しい40代男性研究の本を紹介します

この記事では、生きづらさを感じる40代男性諸君のその「モヤモヤ感」を、「男性学」という奇妙な領域を専門としている田中俊之氏の著作「<40男>はなぜ嫌われるのか」から明らかにします。

本書が主張する40代男性の生きづらさの正体は「40歳になったのに『無意味なこだわり』を手放さないことから生まれるリアリティと現実のズレ」です。

本書を読み込むと、この原因となっている「無意味なこだわり」とは「競争心」「性欲」「特別な自分」の3つを指すことがわかりました。

このこだわりは若ければ持っていてもいい、むしろ持っているべき「こだわり」です。

しかし40代になって持っていると、40代という社会的なポジションとのズレが生じて、自分にとっても、周りの人にとっても迷惑なのです。残念ながら。。

そこで本記事では、40代が手放すべき3つの「無意味なこだわり」を紹介し、40代がどうすれば生きやすくなるのか、そのヒントを提示します。

男性学の第一人者 田中俊之

「<40男>はなぜ嫌われるのか」の著者・田中俊之氏とは何者なのか最初に紹介したいと思います。

田中俊之プロフィール

大正大学心理社会学部人間科学科准教授

1975年生まれ。博士(社会学)。武蔵大学人文学部社会学科卒業、同大学大学院博士課程単位取得退学。社会学・男性学・キャリア教育論を主な研究分野とする。男性学の視点から男性の生き方の見直しをすすめる論客として、各メディアで活躍中。著書に、『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト新書)、『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)『中年男ルネッサンス』(イースト新書)など

社会学者の中でも「男性学」という分野を作った人と言っていいのでしょう。「女性学」を研究する人は多いのでしょう。ジェンダー論とか。

その中で男性に焦点を当てたということで特異なポジションを得ました。

ジェンダー論の中心である女性の話と、男性の話はコインの裏表の話ですよね。

また女性の生きづらさばかりではなく、男性の生きづらさはもっと語れていいはずです。「男はつらいよ」も理解してほしいのです。

田中氏のプロフィールに貼ってあったリンクの記事はこちら。

きっとご本人にとって自身の主張をもっともわかりやすく伝えている記事なのでしょう。

少子化が止まらない理由は「オッサン」にある?-「男性学」の視点から「働き方」を考える-

40代が手放すべき3つの「無意味なこだわり」

「お前はすでに負けている」という事実

さて、それでは「<40男>はなぜ嫌われるのか」で語られている「無意味なこだわり」について紹介していきますが…

その前に「40代男性」の置かれている状況を前提として紹介します。

田中は、40男にとってはかなり痛い”事実”をまず突きつけます。

それは、勉強、スポーツ、就職、出世に常に人と競争してきた私たちの多くは、既にその競争に負けているという事実です。

競争の先にある「果実」がごくわずかである以上、現実的には、四〇代でこれだけのことを成し遂げられたと胸を張って言える男性はごくわずかである。基本的に子ども時代の夢は叶えられない。

「いやそんなことない!」俺は成功者だという方は、ここで離脱していただいて構いません。

「認めたくないけど、、否定できない」という方はぜひ読み進めてください。

ただ負けたからといって生きていく道がなくなるわけではありません。

田中は「男性が自分の「男らしさ」を証明する方法には、達成と逸脱の二種類があります」と言います。

競争に勝った人は「達成」、負けた人はその競争から降りて別の道へ「逸脱」をするということです。

学生時代であれば、勉強で負けた子は「ぐれる」という逸脱をします。

就職してからは、仕事ができない人は「仕事を辞めたり」「会社員じゃない道を探る」などの逸脱をします。

しかし40男が簡単に「逸脱」できるかというとそうではないのです。学生時代であれば逸脱してぐれるのもカッコいいでしょう。

働きはじめても若ければ、まだフットワークは軽いですし、会社辞めてやったも勲章の一つと言えちゃう場面もあるでしょう。

40男が会社辞めてマンガ家目指しますっていう逸脱は現実社会では相当に厳しいですよね。マンガ「俺はまだ本気出してないだけ」の主人公・シズオのことですが。

それゆえ、負けた40代は「達成」もできず「逸脱」もできない状況に追い込まれます。40男はそれでも経済的な破綻をしないために「働くしかないという現実」を生きることになるのです。

競争心を手放す

無意味なこだわりの一つ目は「競争心」です。

先述した40代男性の現実は、悲観的にも聞こえますが(まぁ事実うれしい現実ではないです)、子供どものころから続いた「競争にやっと決着が着いた」と言えます。

人の敷いたレールでの「競争」なんてまっぴらだという人にとっては、むしろ望ましい現実とも言えます。

そうでなくても「競争とは違う価値観で生きることが可能になるととらえることができます。

そこに価値を感じるために、競争心が生み出してきた負の部分に目を向けてみればいいと思います。

私たちは、競争心から人と自分を比べて「劣等感」に苦しめられてきたじゃないですか。

人と自分を比べ、ちょっとした会話でも、仕事に限らず、趣味ですら人より優れているか劣っているかを気にして、卑屈になったりしていました。

それだけじゃありません、40過ぎた男が競争心ムンムンな姿を想像してみてください。周りにもいますよね、そんな人。

魅力的な人でしょうか。競争心ムンムンな40代はきっと年下にも見くびられないように虚勢を張ったりしていますよ。強い人には媚びていますよ。

「競争心」を持った人付き合いしかできない人は、人生後半なかなかつらい日々を送ることは想像に難しくないでしょう。

どうがんばっても若い優秀な人には敵わなくなってきます。同年代ともテンションが合わなくなってくるでしょう。

40代になったらそんな価値観からは離れた方が魅力的に見えないでしょうか。

性欲を手放す

無意味なこだわり2つ目は、若い男を振り回してきたものナンバー1の「性欲」です。

そして「手放す」というよりは「衰える」が正しい表現かもしれませんが。

しかしこの衰えを認められず「鍛える」方向に努力する40男も多くいることでしょう。

田中は、赤裸々に次のように性欲なき時代の幸福を語っています。

年を重ね、精力が衰えたからこそ、性欲に振り回されなくなった。若さや美しさといった基準でだけ女性を評価して迷惑をかけることも、モテたモテないで一喜一憂することもなくなる。ようやく一人の人間として女性と向き合うことができそうだ。実にありがたいことである。間違いなく、失ったもの以上のものを僕ら 40 男は手にしている。

かっこよく言えば、自分史上初めて性的なものとは違うモノサシで女性を見る事ができるようになるということでしょうか。

競争心と同じで「性欲」ムンムンの40男は魅力的というよりは、ちょっと気持ち悪いですよね。そういうことではないでしょうか。

ただ性的な刺激が強い現代社会…40過ぎて機能的に衰えても、頭は衰えないかもしれませんね…。

自分のことを想像しても。。

特別な自分を手放す

無意味なこだわり3つ目は「自分が特別な人間である」という意識を手放すということです。

本当は特別な存在なのだけれど、その実力が十分に発揮されていないから、いまは満足のいかない人生を送っている。世間はもっと特別な存在である自分を認めなければならない。俺は眠れる獅子だ。

既に書いた通り「お前はもう負けている」のである。

少年時代に描いていた「プロ野球選手」や「Jリーガー」になるどころか、一般企業の出世競争でも多くの40代は既に負けているのである。

「少年ジャンプ」は卒業すべきである。自分がヒーローとなり、地球を救い、美しいヒロインと恋に落ちることもはもうないのである。

どちらかと言えば「ビッグコミック」系をオススメしたい。中高年の悲哀が読めます。

しかし、それは何ももう自分の人生諦めろと言っているわけではない。

問題は、その後をどう生きるのかである。

自分の頭で考え、試行錯誤し、生き方を見つけることができなければ、出世レースを続けていようが、「普通」の人生を歩もうが、「普通」から脱落しようが、まったく同じである。漠然と何かが違うと感じながら、

そう、もはや消え失せた日本人の幸せレールや、少年ジャンプが描いたヒーローになるというレールではない。

自分のレールを引き、歩み出すのが40代の男のすべきことなのである。

まとめ

痛い40代は、競争や性的に強いなどといった「若い頃の価値観」を引きずっているタイプです。

「若い頃の価値観」と自分の社会でのポジションとか衰えにギャップが生まれ…痛い中年になってしまうのです。

自分はまだ若いと虚勢を張り、若者に同年代に女性に競争を挑んでくる姿はこっけいですらあります。

40代という自身のポジションを受け止めて、そのポジションを活かすことを考えた方が、きっとマーケティング理論的にも正しいでしょう。

忙しい40代だからこそちょっと立ち止まって「自分の生き方」を考えることが必要なのです。

そうは言っても…そうは言っても…となっている方はぜひ田中俊之氏の著作をいくつか読んで見ることをオススメします。

この記事を読んでくださっているということは、今のままではいけないという問題意識を持っている人だと思います。その時点で開き直ってはいないはずです。

本書と合わせてオススメが「中年男のルネッサンス」という田中俊之氏と山田ルイ53世の対談本です。

山田ルイ53世覚えてますか?シルクハットをかぶって「ルネッサーンス」と言ってグラスを掲げていた芸人さんですよ。一発屋と言ってバカにしてはいけませんよ。最近は文筆業へも活躍の場を広げています。

一発屋という一度は勝ったけど、負けた男の人生論は、既に負けが決定した40代にとってかなり示唆に富みます。40男に必読の書です。

他にも山田ルイ53世の「一発屋芸人列伝」は雑誌ジャーナリズム賞を受賞するほどに評価を得ています。実際めちゃくちゃおもしろいです。一発屋たちの人生を綴ったノンフィクション本です。