人間関係の悩み

職場の人間関係を楽にする「課題の分離」を意識づけるコツ

部下や仕事のパートナーの働きぶりが不満だ。

わからないならもっと勉強して欲しい。

人が手伝ってくれる待ってんのか?

その不満…どっかおかしくないですか?

テリー
テリー
どうもテリーです。なんであいつは…って思う事少なくないです。でも、そんなことグルグル考えても解決しないし。正直しんどいです。

相手の行動に不満を持って、変えたいというのは、ひどく傲慢な態度に見えます。

しかし露骨に態度に出さないまでも、私たちは心の中でそんなことをよく思っているのではないでしょうか。

そんな思いが積み重なっていくと、人と付き合うのが嫌になってきますし、私の場合は寝る前にグルグルと頭の中を回って不眠になります。

この記事では、そんな方に知ってほしい「課題の分離」という考え方を紹介します。

私もこのことを知ってから随分と気持ちが楽になりました。

対人関係で悩みがちな人は、知っておいて損はないどころから知っておくべき概念です。

課題の分離とは

「課題の分離」とは、アドラー心理学の重要概念の一つです。

あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと-あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること-によって引き起こされます。

われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。

本記事の冒頭に書いた私の悩み「部下や仕事のパートナーの働きぶりが不満だ」ということに関して言えば次のようになります。

・部下がどのように仕事をするかは「部下の課題」です。
・部下をどのようにサポートするか、また部下を信じるという行為も「私の課題」です。

つまり私は精一杯部下の仕事や姿勢に対してサポートはするけれど、最終的にどのように仕事をするのかは部下の課題で、私が介入すべきことではないし、私が病む必要はないということです。

そのことが誰の課題なのかを見分ける方法として次のようにシンプルに説明します。

その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?

この1点です。

結局のところ「相手を変えよう」つまり「相手をコントロールしよう」とすることは不可能で不毛です。

であれば自分は「自分がコントロールできる」こと、つまり自分のやるべきことに集中すべきなのです。

そう考えるとすごく気が楽になります。

意識すべき3つのポイント

この「課題の分離」を自分の中に定着させることは、なかなか難しいのが実際のところです。

そこで、もう少し行動にブレイクダウンして意識するポイントを3つ紹介したいと思います。

①自分の仕事を定義する

まず大事なのが「どこまでが自分の仕事なのかという線引き」「自分の仕事は何か」を定義します。

例えば、部下が適切に仕事が進められなければ自分の責任にもなるでしょう。

仕事を進めるのは「部下の課題」であって、「上司の課題」ではありません。

そして上司の仕事を定義すれば、部下にその仕事で必要な知識や経験を伝えることです

結果、仕事がうまく進まなければ「部下が適切に仕事を進めなかった」と憤慨するのではなく、自分が必要な知識や経験を伝えられなかったのではないかと、自分の仕事を反省すべきです。

仕事は複数人が組織的にやっているため、他者の課題と自分の課題を混在化しがちです。

しかし冷静に「線引き」と「自分の仕事の定義」をきちんと見直す必要があります。

②上司-部下という「縦関係」意識をやめる

上司-部下というのは名実ともに「縦関係」です。

そもそもこの縦関係の意識をやめるべきです。

「立場」が違うというよりは「役割」が違うと考えるべきです。

それは「縦関係」を「横関係」に変えると言っていいでしょう。

先ほど「自分の仕事の定義」をしたように、役割として「必要な知識や経験を伝える」という仕事があるだけです。

アドラーはこのよう指摘します。

対人関係を縦でとらえ、相手を自分より低く見ているからこそ、介入してしまう。介入によって、相手を望ましい方向に導こうとする。自分は正しくて相手は間違っていると思い込んでいる。

上司として部下の仕事の責任までとるというのは組織上しょうがないにしても、対部下との関係で言えばとしては決して介入してはいけないのです。

さらにアドラーが徹底しているのはダブルスタンダードを認めていない点です。

もしもあなたが誰かひとりとでも縦の関係を築いているとしたら、あなたは自分でも気づかないうちに、あらゆる対人関係を「縦」でとらえているのです。

上司と部下という関係に限らず、能力差や性別の違い、年齢の違いなど様々な面で、私たちの中には「縦関係」が沁みついています

③論破したら失敗と考える

これはかなり具体的な方法になります。

相手を言い負かすという論破は「相手の課題への介入」であり「縦関係」で自分が上であると主張する行為です。

論破とは、自分の正しさの証明です。

「お前は間違っているから、こう考えるべきだ」というわかりやすい相手を変えようとする介入です

相手が主張したことの結果は相手が引き受けるのですからあなたが介入すべきではありません。

「あなたと私はこういう点で考えが違う」という認識の共有で十分です。

その上で仕事上どちらかに決めなければいけなければ、論破ではなく、決定の手続きに委ねればいいでしょう。

【体験談】傲慢だった過去の自分

私は数年前、大学生のインターンシップや新人の研修を受け持っていた時期がありました。

私が色々と教えることも多いですが、当然仕事ですから、自分で勉強することが前提だと思っていました。

しかし彼らの勉強の量・質はまったく私の期待の下の下の下でした。

これくらいの勉強もしてこないなんて、そもそもやる気がないのではないか、なんで自分がそんなやつらの面倒を見なければいけないのかと、いつもイライラしていました。

当然ながら、そういう態度で接していた私と彼らとの間に信頼関係が生まれることはありませんでした。

私は行動として彼らにもっとこうしろと介入はしなかったものの、意識や態度的にはあきらかにもっとやるべきだろうと彼らの課題に対して介入していたわけです。

自分が彼らに動機づけられなかったという「自分の仕事」を省みることなくです。

もし、彼らがどういう行動をしたかという「彼らの課題」にばかり執着せずに、自分の仕事に集中していたら、結果はどうだっただろうかと今でも考えます。

今振り返って書いていても、はっきりと「自分の傲慢さ」に嫌気がさします。。

まとめ 相手にも自分にもストレスなき関係を作るために

課題の分離ができない最も大きい理由は、私たちに根付いた「縦関係」の意識であることは明らかです。

相手より「上という意識」が、あなたの相手への介入を許すのです。

その考えははっきりと傲慢であると意識する必要があります。

他人への介入は、「相手を苦しめる」だけではなく、「自分を苦しめる」ことにつながります。

なぜなら、本来コントロールできない相手をコントロールしようとするわけですから、それは大きなストレスになります

相手のためもありますが、まずは自分のために「課題の分離」ができるようになりましょう。

オススメ図書

嫌われる勇気(岸見一郎/古賀史健)

アドラー心理学を紹介した超ロングセラー&ベストセラー書籍。

自分に自信がなく対人関係に悩む青年と哲人の対話を通じてアドラー心理学のポイントを解説します。

青年の悩みには共感しかないです。ほんと。