人間関係の悩み

不満が多い部下にぶちぎれる前に-部下の心理と3つの対処法

組織の不平不満を言う部下って正直頭にきますよね…

お前に何がわかるんじゃ。変えたいならまずお前が動けと。

テリー
テリー
どうもテリーです。ちょっと言葉は汚かったですが…本音を言えばそんなところですよね。つべこべ言うなって話です。

しかし、そうやって突き放して問題が解決したためしはありません…。

当たり前ですね。

突き放したり、論破したからといって、部下が現状を肯定的に見ることはないでしょう。

上司に言ってもダメなら自分でなんとかしようとも考えないでしょう。

「この組織にそんな義理ないわ」の一言で終わりです。

では、どのように対処すべきなのでしょうか。

本記事では「部下が不満を言う原因と対処法」について紹介します。

上司-部下関係の根本課題

部下も課題解決の当事者である

職場の不満なんて上げればきりがありません。

成果が上がるのか謎な仕事
無駄に長い会議
本当に必要か謎の報告書
なんだか活気がない

そのことに不満は言うけど自分から何か変えようと行動しない部下。

私が上司だったら「じゃあまずお前が変えろよ」って思っちゃいます。

とかく組織の問題は上司が解決するものという考えが根強いです。そりゃ権限も経験もあるんだから、そう考えてしまうのも無理はありません。

しかしその「不満=課題」に毎日接している部下が、自らその課題を解決しようとしなければ、うまくいくものもいかないと思いませんか?

不満を聞いた上司が何か変えても「そうじゃないんだよな~」とか言いそうじゃないですか?

つまり「解決する人=上司」「被害者=部下」という構図がそもそもおかしいのです。

組織の論理はあるにしても、部下自身も問題解決の当事者になる必要があります。

この組織の論理を盾に自らが課題解決の当事者ではないとする部下の姿勢を、アドラー心理学では「縦の関係に従属している」と言います。

上司からの指示で失敗したら誰の責任?

アドラー心理学を紹介した著書「嫌われる勇気」に興味深いたとえ話が載っています。

同著は、悩める青年と哲人の対話を通じてアドラーの教えを紹介したものです。

あっこの記事の参考図書として超重要なのですコチラです↓

その中でこんなやりとりがありました。

「上司の指示に従った結果、その仕事が失敗に終わったとする。これは誰の責任でしょうか?」と哲人が青年に問います。

あなたならどう答えますか?青年は「それは上司の責任ですよ。私は従っただけなんだから」と答えます。

それに対し哲人は次のように言います。

それは人生の嘘です。あなたには断る余地もあるのだし、もっといい方法を提案する余地もあったはずです。

あなたはただ、そこにまつわる対人関係の軋轢を避けるために、そして責任を回避するために「断る余地がない」と思っているのですし、縦の関係に従属しているのです。

そうです。

部下にだってどうだってできる選択肢があったはずです…しかしそうしない方が楽だったのです。

問題は「縦の関係」にあるのです。

なので、別に部下が悪いとかいうつもりもないんですよ。

部下が問題解決に向かうためのアプローチ

それでは、主従関係である「縦の関係」をどのような関係に変えていくべきなのでしょうか。

目指すのは「横の関係」です。

「横の関係」とは、主従関係ではなく「対等な関係」のことです。

職場では職責の違いという縦の関係はありますが、それは役割の違いです。

「対等」であるという意識が大事なのです。

「対等」であるから、部下自身も課題の当事者として行動することができるのです。

論破は「縦関係」を強化する

対等であるという意識を持つことが難しいことは百も承知です。

部下よりも様々な組織事情や仕事のことがわかっているあなたは、部下の言う不満に「なんてこざかしいのか」と思い、論破したくなると思います。

しかし「論破はもっとやってはいけない悪手」です。

論破された部下は、もう2度と自分で意見も言わなけば、動こうともしないでしょう。

「それだったら指示してください。そのようにやりますので」と死んだ顔で答えるでしょう。

自ら課題解決の当事者になるどころか、行動する勇気すらくじいてしまいます。

あなたの言い分はよくわかりますが、論破はあなたの考えの押し付けでしかありません。

しかし部下には「あなたと違う理想像」がきっとあります。

論破はあなたの「理想像」を部下に押し付けることと同義です。

押し付けられ、上司の理想像の元、働かされるのです。

それは当然「縦の関係」の強化につながるのです。

頭に血が上っていると「その方が都合がいい」と開き直りたくなる気持ちもわかりますよ…でもここはぐっと我慢して前を向きましょう。

当事者意識を持つためには「存在意義」と「貢献感」

「横の関係」をつくるために必要なのは、部下が「この職場における自分の存在意義」を感じれることです。

この職場に「自分の存在意義がある(いてもいい)」と実感できれば、上司に従属するのではなく、当事者として課題に立ち向かうことができます。

アドラー心理学ではこのことを「共同体感覚」と言います。

そしてその感覚を持つためには「誰かの役に立っている(立ちたい)と思えること」が大事だと言います。

共同体、つまり他者に働きかけ、「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。

他者から「よい」と評価されるのではなく、自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること。そこではじめて、われわれは自らの価値を実感することができるのです。

そして誰かの役に立ちたいという想いは、その職場にいる人々を「自分の仲間」だと思えなければいけません。

仲間だと思えなければ…「なんだ私がしなければいけないのか?」「他者が私に何をしてくれるのか?」という考えになります。

他者が敵であれば、どうすれば自分が面倒を回避できるかしか考えないでしょう。

「仲間」だと思えれば、課題に立ち向かう勇気は生まれるでしょう。

部下を勇気づける3つの方法

次に具体的に上司であるあなたが、部下どのように接すればいいのか、3つの方法を紹介したいと思います。

論破ではなく、部下が「課題に立ち向かう勇気」を持つための方法です。

そこには「コーチング」のテクニックが参考になります。

この5つの方法は「3分間コーチ」という著書を参考としています。

基本的なアプローチは既に述べたとおり「横の関係」で接するということです。

そのこをを忘れないで読んでください。

【評価しない】ほめてはいけない…相手の変化に気づき声をかける

相手を勇気づけると言うと「ほめる」という行為をとりたくなるのですが…それはNGです。

「ほめる」という行為は「縦の関係」を強化し逆効果です

なぜなら「ほめる」とは上司が求める事に対して、できたのか、できなかったのかという「評価」だからです。

現状に不満を持っている部下は、上司が求めることに既に懐疑的です。

そこで、ほめても、おそらく白けた反応をされるでしょう。

それではどうすればいいのか?

必要なのは部下の「変化」に声をかけるということです。

ほめるのではなく事実を「事実」として伝えるのです。

それは「評価」ではなく、部下の行動の「承認」です。

部下が自分自身の判断でチャレンジした「事実」を「承認」するのです。

「時間どおりですね」
「〇〇してくれたんですね」
「最近毎日〇〇してるんですね」

といった感じです。

ちなみにコーチングではこのことを「アクノレッジメント」と言うそうです。

アクノレッジメントとは「相手に現れている違いや変化、成長や成果にいち早く気づき、それを言語化して、相手にはっきり伝えること」です。

【要望は伝える】して欲しいこと、して欲しくないことは伝える

対等な関係であるということは、きちんと「して欲しいこと」「して欲しくないこと」を伝えることです。

注意して欲しいのは、これは「命令」でもなければ「論破」でもないです。

「こうしなさい」という「命令」は組織の蓑に隠れて、自身の責任を回避するように見えます。上司としてではなく、「私個人の」ということが大事です。

「こうするべき」という「論破」は相手を否定することです。相手にマウントをとって「縦の関係」を作ることではないのです。

そうではなく、自分という個人はあなたに「こうして欲しいのだ」と伝えるのです。

話をちゃんと聞いていないようだったら…「私の話を聞いて欲しい」と伝えればいい。

時間が守れないなら…「時間を守って欲しい」と伝えなければいけません。

そこに「逃げ」や「否定を恐れる気持ち」を持ってはいけません

【返事を求めない】相手のリアクションがなくても気にしない

自分の意見を言うことが苦手な人も多いのが事実です。

課題に立ち向かうためには、自分の意見が言えなければしょうがありません。

上司にしてみれば何を考えているのかわからない。意欲を失っていることだけはわかる…という状態です。

もちろんその理由は、立ち向かう勇気が削がれているからなのですが…口を開いてもらうように働きかけていく必要はあります。

そこで具体的な提案としては「声はかけ続けるけど、無理に返事を要求しない」という態度をとることです。

なんじゃそりゃと思ったでしょうが…

「3分間コーチ」の中で、ガソリンスタンドの店長のエピソードが紹介されています。彼が店長になる店は売り上げがトップになるというのです。

彼は「いまお昼ご飯のこと考えてた?」「いま何が頭に浮かんだ?」とスタッフに声をかけ続けるそうです。

それで大事なのか「無理に返事を要求しないたとえ挨拶が返ってこなくても咎めることはしない」のだそうです。

わたしの仕事は、彼らが話してみたいと思わせること

そして、彼らが話すことを通して、自信を持って仕事ができるようにすることです。

だから返事はなくても、とにかく声をかける。そして、少しずつ彼らについて知っていって、そして、少しずつ話をするようにするんです」

けっこうびっくりしませんか。

挨拶くらい返せよ…と言いたくなりますよね。

でも、それほどまでに部下は上司に何かを言うことが難しいのですね。

それを小さなところからちょっとずつやっていくことが大事なのです。

でも上司の立場からしても、返事をするかは相手の課題だと割り切って、自分にできることは声をかけ続けることだと考えれば、気が楽になりませんか。

自分はどんな声掛けが有効なのか?実験しているような感覚で十分じゃないでしょうか。

まとめ

長くなりましたのでここまでお話を次のようにまとめました。

「縦の関係」はすごく楽な関係であると思います。

上意下達ですからね。上は従わせればいい、下は従ったふりをしてればいいわけです。

しかし、そこに生産的なことは何も生まれません。

一方「横の関係」を作ることはすごく難しいと思います。

関係である以上、お互いが変わらなければいけないのです。

そうであれば、上司から変わり、部下を勇気づけることしか打開策はないのだと思います。

しかし、それは上司に折れろと言っているわけでも、部下のご機嫌を伺えと言っているわけでもありません。

自分は変わる決心をした、部下が変わろうとするかは「部下の問題」です

それを必要以上に病む必要はないのです。

例にあげたガソリンスタンドの店長のように、返事やリアクションなんてなくてもいいくらいの気持ちで取り組んでみてください。

大事なのは課題の分離です。課題の分離については以下の記事をぜひご覧ください。きっと生きるのが楽になります。

オススメ図書

嫌われる勇気(岸見一郎/古賀史健)

アドラー心理学を紹介した超ロングセラー&ベストセラー書籍。

自分に自信がなく対人関係に悩む青年と哲人の対話を通じてアドラー心理学のポイントを解説します。

青年の悩みには共感しかないです。ほんと。

3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 (コーチ・エィ監修コーチングシリーズ)

コーチングに関する本っていっぱい出てますが…入門書、よりお手軽に実践できるための本としてこちらをオススメします~。

部下への声のかけ方とかタイミングとか、、なかなか細かいですが、いやそうまずはそこで躓くんだよって共感がいっぱいありました。