自己啓発書

生命科学的思考-ビジネスと人生の「見え方」が一変する(高橋祥子)【なんで人間はこんなめんどくさい「感情」を持っているのか?】

「なんで人間はこんなめんどくさい「感情」を持っているのだろうか?」と思うことはありませんか。

人を嫉妬したり、憎んだり、比較したり、、そんな感情いらないし、あったとしてもすぐ忘れたいと私はいつも思っています。

そんな時に出会ったのが本書「生命科学的思考」です。

本書は、冒頭の感情の問題への対処法の解として「なぜ生物はそのようにできているのかを理解すれば、人間の理性で行動を変えることができる。」と主張します。

つまり、感情の問題であればその仕組みを理解すれば、感情的にはなるのはしょうがないけど、理性で行動を変えることはできると言っているのです。

感情のままに行動してしまうことや、欲望をコントロールできないことによって多くの問題が生まれ、個人、ときには組織的な争いにも発展していきますが、これらの問題においても、なぜ生物はそのような感情や欲望が備わっているのかを知ることで行動を変えることができます。

「こんなの人間のバグ」だと思って絶望していた自分のネガティブな部分、なんで自分はこんななんだろう?と思っていたことを、変えれる可能性を感じませんか。

本記事では、そのポイントを紹介しますので、ぜひ詳しく知りたいと思ったら本書を手にってみてください。

1.生存のための人間が持つ機能は時にバグる

①なぜ人に感情があるのか?

感情に振り回されることは本当につらいですよね。自分の意思には関係なく、瞬間的に「怒り」が湧いたり、傷つき「悲しんだり」「落ち込んだり」します。

また瞬間で終わればいいのですが、何日も、何年もその感情を引きずってしまうことが少なくありません。もう終わったことなんだから忘れたいと思っても忘れられないことがいっぱいあります。

この「感情」は、科学的に言えば、遺伝子に組み込まれているそうです。遺伝子の個人差で、ストレスや不安が違うそうです。孤独の感じやすさに関連する遺伝子も見つかっているそうです。

ではまぜそんなものが遺伝子に組み込まれているのでしょうか。本書では「感情は生きていく上での危険を察知し、その危険から離れたり排除したりするために必要な機能」と説明しています。

つまり感情はセンサーのようなものなのです。例えば「こわい!」と感じたら、「そこから離れなさい」というセンサーが働いたようなものなわけです。

このセンサー機能があることは人が危険なことを避け、生きのびるための「生存戦略」として理にかなっていると言います。

そのように考えると、感情を抱いたときは「遺伝子に搭載された機能が正常に働いている」と客観視するといいと言います。

客観視するとは、その感情が湧いた事柄を、自分で対処できるものか、対処できないものかを考え、対処できないものには蓋をすべきということです。

私はその蓋が上手に閉められないので困っていますが、感情を自分のセンサーととらえることは少し気持ちが楽になる思いはありますね。

②なぜ人は周りが見えなくなるのか?

嫉妬をはじめ人間関係のこじれは、自分の視野がせまくなっていることに原因を感じます。

ちょっと時間を置いて頭を冷やせば「そんなこと比較してもしょうがない」「相手の一面しか見れていなかった」「この人にこだわらなくても別な人もいる」と感じることがあります。

この視野の問題について本書では「人類を含む生命は視野の調整が不自由で、特に視野を広く持つことが苦手」だと言います。

その理由は「視野をせまくして自分に集中することで、個体として生き残ることに集中するため」なのだそうです。

子どもや年寄りをイメージするとわかりやすくいかもしれません。赤ちゃんは親の都合など考えてくれません。親が自分の視野から消えれば自分の生命の危機を感じるわけですね。また年をとるとわがままになるというのは偏見でもないのかもしれませんね。

他人の視野がせまくなっている時は「この人は自分の生存の可能性に安心できていないんだな」と思ってあげればいいと言います。これ、こんな風に思えるとちょっと楽になりますよね。

自分に関しては、何も意識しなければ自分の視野は狭くなっていくということを自覚できれば、意識的に広い視野を持とうという行動がとれるかもしれません。

③なぜ人は短期的な利益にひっぱられるのか?

これは「時間的な視野」と言っていいかもしれませんが、いわゆる「後先考えずに」行動してしまうということです。

なぜ刹那的な快感のために「どなりちらして見たり」「嫌なことから逃げてしまったり」ということが怒るのでしょうか。

本書では短期的な「快楽」と、長い時間をかけて形成される「幸福」の違いから説明します。

アルコールやギャンブル、過食など一時的な快楽を求める際にドーパミンという物質が分泌されるということはよく知られていることだと思います。

最近の研究ではこのドーパミンの快楽と幸福感は別であるということがわかっています。依存症の人たちが長期的な目線で幸福度が低いことも立証済みです。

人間は遺伝子的には「快楽」を得られる方向に行動してしまいますが、それと幸福とは違うということを理解することで行動をコントロールする必要があるのです。

本書では「達成したい目的を明確に意識した上でもなおその選択をするかどうか自身に問う習慣をつけておくと幸福になりやすい」と主張します。

私たちが目的を考えたり、目標を立てることの理由はここにあるのでしょう。

④なぜやる気がでないのか?

「幸福になりたい」「自分の夢を実現したい」「何か達成して自信をつけたい」なんて思っても、なかなか実際の行動へ移るためのエンジンがかからないということがあると思います。

科学的には「脳の中にあるやる気に関する淡蒼球という場所は、体を動かすことで活性化するという」という研究成果があるそうです。

「やる気が起きなくても、まず5分机の前に座れ」と言われたりしますが、科学的に正しいようです。本書の言葉で言えば、「初速」を出すためにはまず動けと。

また「未来差分」の認識が大事だと言います。未来差分とは。行動した時と行動しなかった時で未来がどう変わるのかという差のことです。

いくら走りだしても、この未来差分がなければやがて「やる気」は失われていくと言います。

2.まとめ

本記事では「なんで人間はこんなめんどくさい「感情」を持っているのだろうか?」という問いに応えるための本として「生命学的思考」を紹介しました。

私たちは、嫌な感情を抱いたり、時に視野がせまくなり人に嫉妬したり、刹那的な快楽を求めたりと生きていく上での苦労が多いです…。

しかしそれはすべて人間の「生存戦略」上必要な機能であると、本書では説明しました。しかし、私たちが実感している通り、生存のため備わっているはずの機能は、長期的に見た場合に負の側面を見せることも事実です。

例えば、自分ではどうしようもないことに感情というセンサーが働いても、どうしようもないからただ苦しいだけです。刹那的な快楽は、長期的な幸福感につながらないことは研究で明らかになっています。

本書では、その機能を理解したうえで、理性的に行動することによって、その負の側面を乗り越えようと提案しています。

人間に備わった機能を乗り越えるには、機能を理解した上で「意識的」に行動することが大事であるということです。

本記事では「感情」について取り上げましたが、本書には、「なぜ人は努力しなければいけないのか?」「命を失うことと燃やすことの違い」など、他にも興味深い内容が盛りだくさんです。

これら人間の機能を理解と対応を学ぶことで「個人の人生」「組織経営」に変化を起こすことができます。本書を読むことで、ビジネス、人生への「見え方」がきっと変わるでしょう